というようなコトを繰り返していたら、
あっという間に1年は過ぎ見事に裕樹は留年したのであった。

このような関係を持つことは裕樹は少なくはなかった。

遊びといえば遊び。
しかし裕樹は自分の性欲を満たすというより自分に欠けた何かを埋めるように繰り返していた。



そんな裕樹も大学3年生(4年目)の冬を迎えた。

2年前まで黒かった髪は明るくなり。耳には複数のピアスを揺らしながら、講義そっちのけで女の子とやり取りをする。


「今日バイト終わった後飲み行かない?っと」

数分後OKの返事。

結局裕樹は講義の最中終始スマホをいじって終わる。


大学が終わればバイトかパチンコ。
そしてそれが終われば飲みに行くか友達の家で飲み会。
そしてまた大学という生活サイクルをしていた。


今日もバイトが終わり飲みに行くために待ち合わせ場所でたたずむ。

雪が降ってきて今年の終わりを告げようとしていた。

来年はいよいよ就活か・・・。

しかし正直、将来とかよく分からない。
同期の大半は就職先が決まり、まだの同期も最終面接を残すのみといった具合に各々の人生を歩もうとしていた。

時々裕樹も考えるが、正直考えたくない。

そんなときは決まって煙草に火を点ける。

「ふーっ。うまい。ってかアミのやつ遅いな。」

アミは先ほども出てきたフリーターの女の子だ。

よく飲みに出たり遊んだりするが、決して付き合っているわけではない。
むしろ裕樹が断り付き合うことを拒んでいる。

首に巻き付けていたマフラーを緩め、スマホを取り出す。


新着メッセージがあります。

『ごめん今日急きょバイト先で飲み会入った!ごめんね。こんど、のーこーなのするから許してね♡』

煙草を足元に落とし踏みつぶす。

「んー。マジか・・・。今日アミの気分だったんだけどな。まぁ現地調達しますかw」

飲み屋街の方に歩き出すが、中々数人の女の子グループがいない。

さすがにド平日の22時前、この時間に出没する女の子は少ない。

「んー。他の子はみんな明日仕事とか学校だって断られてしまったし・・・今日は家で飲んでシコって寝るか?」


仕方なしに地下鉄のホームに向かって歩き出すと女の子2人組が地上に顔を出した。