拝啓、笑顔を忘れたボクへ

真剣な眼差しで裕樹を見つめる。

裕樹は一度強く歯を食いしばり、次第に緩めていく。

「あぁ、自殺未遂ってほどではないけどな。
高校生の時に彼女が自殺してさ・・・
後を追おうとしてナイフを持ったけど、この様さ。
今じゃただの臆病者の証だよ」

「そうだったんだ。実は私昨日彼氏にフラれたんだ!
あいつ浮気してやがってさ!だから飲みに出たの。腹立ったから飲んだくれて急性アル中で死ねたら良いやーとか思ってたら、ちゃらいヤツが声かけてくるし
ホントに最悪―。」

いたずらっぽく微笑んで、裕樹に前から抱き着く。

「私、自分でも可愛くないのは分かってる。でも話してるうちに裕樹のことが気になっていったの。死のうとした自分が恥ずかしくなった。
だから身体目的でも良いからそばに居てくれませんか?」

確かに第一印象は微妙だった。

けど、改めて正面から向き合ってみると可愛らしい顔をしている。

それにこの子は俺にしっかり話してくれた。

この子を守れるのは俺だけなんじゃ・・・。

「あぁ、付き合おう。いや、付き合ってくれ。」

「うん!」

二人は唇を重ね合わせた。

それから互いのことを全て話し、たくさん笑った。悲しんだ、怒った。


そして互いの全てを受け入れ、知った後で二人は愛し合った。


少しではあったかもしれないが裕樹の『演技』が『本気』になっていた。
・・・気がする。