「本気で言ってんのか、それ」
ため息まじりに言われてまた見ると、さっきまでと全然違う細めた目をしている。
「古瀬が俺のこと聞いて来るのが、俺に憧れてるから?」
「そうだと思うよ」
「どうだかな。また週末にでも会った?」
「ううん、もっと前。こないだケンカしちゃってちょっと険悪だから」
「ケンカって……」
あ、別れてるのにケンカするのもおかしいのかなと急に思い当たる。
「ケンカっていうほどじゃないんだけど、機嫌が悪かったというか。あれ、シゲは何買いにいくんだっけ?」
シゲはまだ何か言いたそうな気がしたけど、とにかく関係ないことを話し続けた。
純のことは意味がうまく伝わらなかったみたいだ。これ以上は言えないし、ほんとに難しいなと思う。
純は本当のことを言うなんて言ってたけど、真央さんが純ママにつながってるとわかった今、それはますます無理そうだ。


