ばいばい、大嫌いな人


「こんな時間まで何してんの?」
「歌の練習を…実くんは?」
「俺は先生に呼び出されてた。」
きっと実が呼び出されていたのは進路のことだろう。
舞はそう察し、ふーん、と俯く。
「あんま無理しすぎると喉に悪りぃだろ。これやるよ。」
そう言って実が舞に何かを投げ渡す。
「のど飴?」
「うちのクラスで配られたけど、俺指揮者だし、必要ないからやる。」
投げ渡された飴。
それは少しあたたかかった。
「ありがとう…。」
舞は少しシワのついた袋を開け、口に入れる。