聞き慣れたチャイムと放送の声に我に返った舞は慌てて黒板消しを掴み、雑に文字を消した。 小さな白い文字は消したはずなのに薄っすらとまだ残っている。 それは、叶わないとわかっていても消し去れない実への恋心を物語っているようで、舞は、薄く残る文字をそのままに、荷物を持ち直し、教室を出た。 (長谷部くんのことが好き…。) 誰にも言えない本音を、黒板に書き綴った。