結局、諦めることができないまま私立受験の日がやってきた。
朝早く、まだ薄暗い中、親の車で駅まで送ってもらい、駅に着く。
車を降り、駅の中へ入る。
受験会場まで始発の新幹線に乗り、移動することになっていた。
切符を買い、ホームへ向かうと人は殆ど見当たらない。
寒さに縮こまりながらホームの椅子に座り、新幹線が来るのを待っている時だった。
「おはよ。」
背後から声をかけられる。