ばいばい、大嫌いな人


最後まで歌いきり、舞台を降りる。
(実くん、聞いていてくれたかな?)
探しに来てくれて、緊張をほぐしてくれた実のことを思い浮かべる。
実に握られていた、冷たかったはずの手は、もうすっかりあたたかかった。
(あ…。)
そこで舞は、あることに気がつく。
(実くんと手ぇ繋いじゃったぁぁぁあああっ‼︎しかもお礼言えてないっ‼︎)
緊張で忘れていたが、舞は実に手を引かれてここまで来た。
手を繋いでいた。
そのことに今更恥ずかしくなり、頬が紅潮していく。