新学期、久々の通学路を歩く卯月 舞の足取りは重かった。
中学3年生、記念すべき1日目の登校時の天候は、あいにくの雨だった。

重い足取りで校門までたどり着くと、自転車通学の生徒達が舞を追い越し、次々と先に進んでいく。
その生徒達の中に、舞はある人物の姿を探していた。
(長谷部くん…いないかな…。)
その人物とは、舞が小学生の時から片思いをしている相手、長谷部 実だった。