「いらっしゃいませー」


 店員の気だるげな声に迎えられてやってきたのは家にある近所のコンビニ。
 お母さんにアイスを買ってきて、というお遣いを命じられた私は面倒だなあと思いつつも断り切れなかった。
 理由は来月のお小遣いを前借りしてしまったから。それさえなければ強気で断ることもできたのかもしれない。
 まあ、これくらいならそんなに手間ではないからいいんだけど。どうせ今は真夜中だし。
 このコンビニも家の近くで、自転車に乗れば数分で着いてしまうくらいの距離だから服装だってそんなに気にしなくてもいい。現に私の今の服装はTシャツにジャージというラフすぎる格好だった。

 これでも花のJKですよ。ここでクラスの人に遭遇でもしたら最悪以外のなにものでもないけれど、その可能性は限りなく低いだろう。
 そんなことを思いながら目的の○リ○リ君を探していると、自動ドアの開く音が聞こえた。同時にさっきも聞いた店員の気だるげな声もついてくる。

 私は何気なく、本当に何気なく、入ってきたその人物を見て、思わずその場に固まった。