笑顔を持たない少女と涙を持たない少年



部屋の中を、そっと見回してみる。


まるでありふれた“同じ”を探すように。


そうすれば気持ちが落ち着くだろうと、安心感を得られるだろうと思ったのだけれど。


毎日同じはずの、私のこの部屋に。


私の瞳が見渡したこの部屋に、小さな、変化を感じた。


「…え…」


それは、暗くなった部屋の中で光りを放つ、スマートフォンの画面。


スマートフォンは、放っておけば自ら光を放つことなんてない。


何かの連絡が届いた時に光って、一定の時間が経てばその光は消える。


つまり。


今私が目にした光景は、この瞬間、誰かからの連絡が届いたということを意味しているのだ。