笑顔を持たない少女と涙を持たない少年



いつもと変わるところといえば、母親の料理にいつもより少しだけ気合いが入っているところと、食事が終わったあとに父親がプレゼントを渡してくれるところだ。


父親と母親、そしてりぃと私。


誕生日だからといって変わることのないその食卓の風景。


それはいい意味で、毎日が誕生日のように楽しそうなものだから、特別変わることはないという意味で。


――今日も、笑顔に溢れていた。


笑顔に、溢れていた。


「…ごちそうさま」


母親が作ってくれたミートラザニアを半分くらい食べ終わったとき、私のフォークを持つ手がピタリと動きを止めた。