笑顔を持たない少女と涙を持たない少年



「ね、とりあえず帰ろ」


違う、驚いても、呆れてもいない。


きっと、察してくれたのだろう。


私が自分でもこの状況を把握できていないことを。


夢か現実かの区別すら、できていないことを。


ただでさえ感情の表現が苦手な私だ。


その不器用な感情を向けても受け止めてくれる、りぃだから。


すべてを知っているのは、私自身ではなくて、彼女なのかもしれない。