笑顔を持たない少女と涙を持たない少年





気がつけば私は、いつも通りの廊下を目の当たりにしていた。


誰もいない廊下。


遠くから聞こえるのは、教師や生徒の声。


外から吹く風が、私の頬を撫でる。


振り返って、今自分のいた場所を見つめてみる。


やっぱりそこに、その部屋はあって。


「…夢じゃなかったのかな」


自分の口からは、無意識にそんな言葉が発されていた。