笑顔を持たない少女と涙を持たない少年



でも私は何にも構わず、ドアの方へと足を踏み出した。


ここで過ごした時間と、最後まで聞けなかったたくさんの謎。


知ることができたのは奏のちょっとした性格とその笑顔だけ。


ここから出た瞬間、私はどうなるのだろう。


もしこれが夢だとしたら、どこからが夢だったのだろう。


夢――…。


そうではあって欲しくないと、一瞬、思った。