笑顔を持たない少女と涙を持たない少年



そして。


私の連絡先なんて、教えるつもりは1%もなかったのに、何故だろう。


「私も、連絡先、教える」


「ありがと、じゃあ追加しとく」


気が付けば、私は奏に連絡先を教えてしまっていた。


理由は、自分でも分からない。


でも、理由になるものがあるとすればただひとつ。


奏のことを――もっと知りたかったということ。


奏と――もっと仲良くなってみたかったということ。


これで、良かったのだろうか。


私のスマートフォンの中の連絡先リストには、家族くらいしか追加されていない。