「終わった」 私はそれだけ言って持ちかけていたカバンの持ち手をしっかりと握り直すと、りぃの待つ教室のドアの方へと歩き出す。 「おつかれー、じゃあ帰ろ」 りぃの元まで到着した私に、りぃはそう言って笑った。 ――りぃは笑う。 私とりぃの苗字が同じだということで気がついたかもしれないが、りぃは私の実の双子の妹である。 私たちは双子なのに、性格も見た目も正反対だ。