だけどその後にこみ上げてきたのは、怒りでも、悲しさでも、嫌だと思う感情でもなくて。 あんなにこう呼ばれることを拒んできたのに。 どうして私は、怒りや悲しみとは反対の何かを感じたのだろう――? 「ってことで、改めてこれからよろしく、エミ」 半強制的に決められた呼ばれ方と、これからを約束するその挨拶。 夢なのか現実なのかさえ曖昧なこの空間で。 私は、差し出された手にそっと自分の手を重ねて。 優しく握られた手の感覚に。 体温が、上昇していくのを感じた。