笑顔を持たない少女と涙を持たない少年



笑えないことをはじめから否定しないで、まず話を聞いてくれる人、話をしてくれる人なんて、いないと思っていた。


こんなところで、こんな形で出会えるなんて。


何だか急に、この出会いが凄いものに思えてきて。


もしかすると本当に、新しい何かが見つかるかもしれないと思えてきて。


気が付けばもう、口を開いていた。


「ねぇ」


それは、確かに私の口から発された言葉。


小さな声で、一言だったけど、私から声をかけた言葉。


自分から他の誰かに話しかけることなんて、きっと今までになかった。


人に話しかけても、自分の思いは伝わらなかったから。