笑顔を持たない少女と涙を持たない少年





「開かねぇな」


掃除を終えた私と奏は、あの部屋の前を訪れた。


昨日までの私たちは授業中から放課後まで、ずっとこの部屋で過ごしていた。


だけど今日は朝からしっかり授業に出ていたから、ここに来るのははじめてだった。


だけど、そのドアは――もう開かなかった。


「私でも開けられない」


奏が開こうとしても、私が開こうとしても。


その扉はびくとも動かず、開くことが出来ないのだ。