笑顔を持たない少女と涙を持たない少年



そして母親に、本当の恩返しをする番だった。


その意思と考えを昨日奏に電話で伝えると、奏も久しぶりに授業に出ると言ったのだ。


それで私たちは今日、更なるステップを踏み出していた。


「奏はいつから授業出てなかったの?」


消せば消す分だけ綺麗になっていく黒板。


私は掃除を続けながら、奏に問いかける。


「2年前、彩菜とあの部屋で会ってからずっと」


奏から返ってきた答えを聞いて、思わず振り返る。