笑顔を持たない少女と涙を持たない少年



声も、身体も、震えだす。


「そ…う…」


やっと動かした唇から漏れたのは、奏の名前。


震える言葉に、固まったままの私。




「涙…」



奏の頬を伝っていたのは――涙だった。