その力に、奏の母親は睨むようにして威嚇する。 だけど、それでも、奏の表情は変わらなかった。 そして、その唇は優しく言葉を発した。 「俺は母さんに、ただそばにいて欲しかっただけ」 全身に、鳥肌が立つのを感じた。 優しい瞳で。 でも切なくて、苦しくて。 それがきっと――奏の、本音。 その言葉で、自分のことを思い出す。 ああやって本音を言ったときは――胸が震える。 奏の言葉は、少し震えているように感じたから。