臆病で、自分から誰かに声をかけることなんてほとんどなかった私が。 そう言って、奏の母親の瞳を見つめた。 自分でも自分に驚くくらい、それが自分の口から出た言葉だと信じられなかった。 「依美、いいから早く来い」 奏が私の腕を掴む力が強くなって。 その言葉と共に、私は奏に引っ張られる。 でも、私は動かなかった。 しっかり、この思いを伝えたかった。