笑顔を持たない少女と涙を持たない少年



――ガチャ


突然、ドアの開いた音がした。


私は慌てて、伸ばしていたその手を元に戻す。


まさか。


私は、奏の表情を伺った。


すると。


奏はもう私の方を見ていなくて、その音のしたドアの方を見つめていた。


何かを話しかけようと思ったけど、とてもそんな雰囲気じゃなくて。