笑顔を持たない少女と涙を持たない少年



私はあっという間にパスタを食べ終わり、目の前の空の皿を見つめ、手を合わせた。


「ありがとな」


私は奏に作ってもらった側なのに、ただ食べただけなのに、作ってくれた側の奏の方が丁寧に感謝を伝えてくれて、何だか優しい気持ちになる。


奏の笑顔、今なら、本当に温かく見える。


それは奏の笑顔が温かいから?


それとも、私の心が温かいから?


「奏」


どっちだとしても、いい。


どっちだとしても、嬉しい。


私は名前を呼んで、奏の方へと手を伸ばす。


無意識に、その頬に、触れたくなった。


優しい笑顔の、奏に――