笑顔を持たない少女と涙を持たない少年



言いたいことが、伝えたい思いが、胸の奥から止まらなく溢れる。


「でも、それじゃ私は自由に生きられないって、気がついた、笑えるはずもないって、気がついた」


自分の言葉で、自分の意思を伝えて。


母親の目を見つめたままの瞳に、焦りそうになったから。


一度息を吸ってから、次の話へ切り替える。


大丈夫、ちゃんと伝えられる。


だって――もう、今までの私じゃないんだから。


私は変わった、強くなったんだから。


今の私なら、彼のことだって伝えられる――


「それに気がつかせてくれたのが、奏っていう少年だった、同じ学校で、クラスは違うけど、同い年」


そして奏の名前を口にした瞬間に。


笑顔の奏が、脳内をよぎる。


何故かその笑顔に、応援されている気がした。