笑顔を持たない少女と涙を持たない少年



――違う。


俺は、見つけた。


その箱の横に、彩菜の文字で書かれた一枚のメモを。


“奏へ 彩菜”。


それだけ書かれたメモを見て。


確信した俺は、その箱に手を伸ばした。


指先が少し、震えているような感覚がして。


それでもしっかりと、箱を支えて。