笑顔を持たない少女と涙を持たない少年



「あれ、」


そこで俺は、小さな変化に気がついた。


思わず立ち上がって、その変化に視線を動かす。


それは、いつも2人で紅茶を飲んだ、テーブルの上に。


「箱?」


ひとつの、小さな箱が、置かれていたのだ。


ここに入れるのは、俺か彩菜しかいない。


きっとこれは、彩菜の忘れ物。