笑顔を持たない少女と涙を持たない少年





「ねぇ奏」


式が終わって、俺は彩菜に呼び出された。


場所は、俺たちが出会った、図書室。


2人で何度もここに来て、いろいろな本を読んだ。


「1年前のあの日のこと、覚えてる?」


彩菜はそう言って、俺を見る。


「ああ、俺が本を探してたら、泣いた彩菜が入ってきた」


俺は笑顔で答えながら、あの日のことを思い出す。