笑顔を持たない少女と涙を持たない少年





そして。


時の流れは早く、彼女と出会ってから1年が経った頃。


「卒業生、起立」


その日は3年生の――彩菜の、卒業式だった。


卒業式には、もちろん卒業生以外の在校生も参加し、生徒全員で卒業生を見送ることになっている。


俺は式の最中、ただ彩菜だけを見ていた。


1年経って、俺と出会った頃より少し大人になった彩菜。


それは見た目だけじゃなくて、きっと中身も。