笑顔を持たない少女と涙を持たない少年



彩菜の笑顔と少し強引なその動作に俺も笑って、そのまま案内された椅子に座る。


彩菜は座らず、奥のカウンターまで歩いていった。


そしてさっき見えていたティーポットに、紅茶をいれはじめた。


優雅で、でも静かで、優しい空間。


俺は紅茶をいれる彩菜を見ながら、ただこの空間を不思議に思った。


部屋の中なのに、何で木が、芝生があるんだ?


あの木に咲いている花は、何の花なんだ?


不思議で仕方ない俺は気が付けば立ち上がっていて、その大きな木に手を伸ばしていた。