奏が恋する人は、見た目も中身も、もっと素敵な―― 「依美」 その、奏の声で。 いつから考えていたか分からないその感情を、私はそっと胸の奥にしまった。 ――醜くて、小さな嫉妬、だったかもしれない。 「お前、今日ぼーっとしすぎだよ」 奏は笑うと、立ちあがる。 きっと今日も、紅茶の準備をしてくれるのだろう。