でも。 「お前!沢野依梨!今日こそ課題やってきたんだろうな!」 「ぎゃーっ先生!依美、奏くん、またね!」 「おいこら、待て沢野!」 それはあまりにも一瞬の出来事で。 何があったのかは、数秒経ってからやっと理解することができた。 “沢野”、それは確かに私を呼んだ声だった。 だけど歩いてきた教師が声をかけたのは、もうひとりの“沢野”、つまり――りぃで。 それに気がついたりぃは、光の速さの如くその場を去っていった。