笑顔を持たない少女と涙を持たない少年



でも。


ここは私にとって、一番落ち着く空間でありたい。


自分のことを自分で、一番見つめられる場所でありたい。


この空間では、何も隠さない――


素直な自分でいたいと思う。


「……ふぅ」


自分の唇からは、空気の抜けたようなため息。


ベッドの上に腰を下ろせば、バフッ、と音を立てる布団。


時計の秒針が細かく時を刻んで、部屋の外からは母親がフライパンにハンバーグを乗せるジューシーな音が聞こえる。