笑顔を持たない少女と涙を持たない少年



部屋の壁にはモノクロ調の時計だけが掛けられていて、それ以外には何も無い。


例えば家族と友達と撮った写真とか、好きな芸能人のポスターとか、小さい頃に完成させたパズルを額縁に入れたものとか。


そういうものの姿は全く無くて、ただただ静かな空間である。


そんな、殺風景で、至って普通な空間。


でも逆に、りぃの部屋の壁にはその隙間がないほどに装飾がされている。


それはそれで、いいのだと思う。


ごちゃごちゃとした空間を否定するわけではないし、明るくて、その人にとって楽しいものであれば、それでいいのだと思うけど。