慣れているはずなのに、胸が痛んだ。 笑顔が溢れるこの廊下は。 私の場所じゃないから―― ――ドンッ 「依美」 ぼーっと、していた。 あまりにもぼーっとしていて、自分が通りすがりの誰かも知らない生徒の肩にぶつかってしまったことなんて、気がつかなかった。 そして。 私の名前を呼んだ、その声の主が誰かなんて、気にしていなかった。 数秒経って、我に返る。 よろめいた私の身体を、片手で支えていたのは。