笑顔を持たない少女と涙を持たない少年





それから私たちは2人で帰宅し、キッチンで夕飯の支度をしていた母親にただいまと声をかけると、それぞれ自分の部屋へと向かった。


自分の部屋のドアを開けると広がるのは、無駄なものがないシンプルな空間。


いや、良く言えばシンプルだったとしても、お世辞にもこの空間が素敵だとは言えないだろう。


殺風景、といったほうがこの部屋の雰囲気が伝わりやすいかもしれない。


部屋の奥に配置されたベッド、その横にはそんなに服の入っていないクローゼット。


ベッドの前、部屋の中央には黒色の小さなテーブルを置き、余ったスペースには参考書や本を収納するための棚をいくつか並べている。