笑顔を持たない少女と涙を持たない少年



それは、私の口から発された言葉。


そう、それが私のひとつだけ気にかかっていることで。


誰かを特別な想いで好きだと感じたことのなかった私。


その私が予想していた“恋のはじまり”は、実際に体験した“恋のはじまり”とはかけ離れたものだった。


「え?」


私の声にりぃは首をかしげて、不思議そうに私を見つめた。


「…私の想像していた恋は、出会ってすぐではなくて、相手のことをよく知った上ではじまるものだったから」


奏に出会って、まだたったの2日。