笑顔を持たない少女と涙を持たない少年



“依美”と名前で呼ばれるのも好きじゃなかったけど、今となってはあまり違和感を感じなくなってしまった。


――結構、重症だと思う。


でも。


私にひとつだけ、気にかかっていることがあった。


それは周りから見れば大したことじゃないのかもしれない。


だけど、恋なんてしたことのない私にとっては、分からないこともたくさんあるわけで。


「…相手のこと、本当に何も知らないのに」