笑顔を持たない少女と涙を持たない少年



りぃがいればそれで良くて、そんな私ならいなくても良いのではないか。


根拠のない不安が、心のどこかに染み付いていて。


怖くて、動けなかった。


「今までずっと私が優等生でいたのは…周りに嫌われるのが怖かったから、それが唯一の武器だったから」


そう言って、私のうつむきがちだった視線をりぃへ動かしたとき。


「ば…ばかぁ~~~~」


りぃの頬には大粒の涙が伝っていて、その言葉と同時に私は抱きしめられた。


「わ…」

驚いて、私は目を見開く。


奏に抱きしめられたときとは、全く違う。


そこは私が今までで一番多く、安心してきた場所で。