笑顔を持たない少女と涙を持たない少年



母親の行き先を確認した私は、一旦落ち着いてなんとなくりぃの部屋をぐるっと見回す。


部屋の壁には、りぃの好きなアーティストのポスターと、写真が可愛くコラージュされたコルクボードが飾られている。


床には脱ぎっぱなしの制服に、読みかけのファッション雑誌。


テーブルの上には清涼飲料水だと思われる液体の入ったコップと、体温計が置かれていた。


彼女らしい空間に、安心感を覚えた。


「…ねぇ、りぃ」


りぃになら言える、聞ける。