笑顔を持たない少女と涙を持たない少年



「…良かった、りぃが無事で」


冷えピタのシートを貼ったまま、頬を赤く染めたりぃは何だか可愛らしくて、私はそう言ってりぃを見る。


「そういえば、お母さんは」


りぃに熱が出たことで一番心配していたのは、母親だった。


だから付きっきりで看病しているかと思っていたけど、りぃの部屋の中にも、この家の中にすら母親の姿はなかった。


「晩ご飯の材料を買いに行ってるよ~」


りぃは私にそう言った。


「そっか…」