背は高いのに華奢な体型で、とことんスラッとしているように見えていた、奏。
でも背中に感じる奏はただスラッとしているだけではなかった。
身体には適度な厚みがあって、私の右手に触れた手は骨ばっていて、ゴツゴツしていて。
――男の人なんだと、思った。
いや、もちろん奏は男だと分かっていたけど。
こうやって抱きしめられると、男女の体格差を感じる。
急に起こった出来事に固まってしまった私は、身体が動かないのは言うまでもなく、声すらもまともに出すことができず、ただそのまま奏に抱きしめられていた。
音を立てているのは心臓なはずなのに、耳の奥の方までその音は響いていて。

