昨日は一口も飲むことの出来なかった紅茶を、今日はカップ1杯分飲むことができたから。
それは私自身の気持ちが、少しずつ変わり始めている証拠なのかもしれない。
そう言った私は立ち上がって、カバンを持つとドアの方へ歩き出す。
奏が新しくいれた紅茶の香りが、優しく広がっていく。
床を移動する上履きは、パタパタと音を立てるはずなのに、芝生が敷き詰められたこの空間じゃ、フサフサといつもと違う音が響く。
同じ校舎の中にあるとは思えないほど、非現実的だ。
そう、ここを出れば、私は夢から覚める。
でも――
もういつでも来れる、きっと。

