笑顔を持たない少女と涙を持たない少年



少し冷めてきた紅茶の香りが、目の前を流れて。


ただ奏の言葉だけを待つ私には、全てがスローモーションで再生されているように思える。


意味の分からないことを、聞いてしまったかもしれない。


いきなりムキになって、引かれたかもしれない。


だけど、それは私が確かに感じた本音だった。


奏の笑顔に、私が感じた大きな思いだった。


そして。


奏と、目が合う。


ゆっくりと、その唇は動き出して。