あまりにもじっと見つめているものだから、不思議に思った私はそんな奏に声をかける。 「あの…似合ってないかな」 私の言葉を聞いた奏は、その瞬間、我に返ったように首を横に振った。 「いやごめん、実は」 奏はそれだけ言うと、隣の椅子に置いてあったカバンから小さな袋を取り出す。 「え…」 その袋は奏の手のひらにすっぽりと収まっていて、そこからはシャラン、と小さくて繊細な音が聞こえた。 まさか、と、私はその袋を見つめる。