笑顔を持たない少女と涙を持たない少年



奏の視線は、私の胸元に移動していた。


その言葉と視線に我に返った私は、何度か頷く。


「昨日の夜、両親からのプレゼントで」


話はそれてしまったけど、どっちみちそこから話を続けることはできなかっただろうから、今はこの話を進めることにしようと、思った。


私は指先で、自分のネックレスに触れる。


学校にアクセサリーをしてくることで校則違反になったりはしないけど、何度も付けたり外したりするのが面倒だし、なにより私には必要ないと思っていて、アクセサリーは身につけていなかったから。


今でもまだ、違和感を胸元に感じる。


奏は私のネックレスを見つめたまま、その視線を離さない。