大きな世界をひとつに繋ぐこの空が、小さな呼吸しかできない私を苦しめる。 「…ハンバーグだって言ってた」 私は空から視線を外し、何秒か経った頃に口を開いた。 いつの間にか止まっていた、数秒の時間と自分自身の足。 りぃは立ち止まった私に気がつかず、そのまま前へと歩いていく。 少しずつ遠くなっていく、りぃの背中。 だけどその背中を見れば、私は私の場所にいることを確認することができる、いつだって。 どんなときも、どんな私も。 受け入れて、そばにいてくれたのはりぃだった。