「忘れたの?昨日のこと。」


はだけた着物を直しながらいう。

「俺、酔って・・・」

「李叶、

酔っ払って一緒に寝るって言い出して・・・」

「俺、そんなこといったのか?」

「うん。」

顔を真っ赤にし、

うつむく李叶に対し、

ニヤニヤと笑う音春。

「・・・な、なんだよ。」

「弱みは握らせていただきました。」

「・・・っ。

別に言ってもいいけど・・・

恥ずかしい。」

「・・・なにがー?」

ニヤつきながら聞く音春。

「俺、そういうキャラじゃないし・・・」

「じゃー言わないであげようじゃーないか。

2人の秘密にしとこ。」

笑顔で音春が小指をだす。

「なんだよ。

その手。

てかなんでそんな上からなんだよ。

生意気め。」

おでこにキスをする李叶を無視して、

「指切りげんまん。」

「は!?指を切るのか!?」

「・・・もー、いいから。

小指出して。」

恐る恐る小指を音春にだす李叶。

この時代に、

まだ指切りげんまんはないらしい。

音春は自分の小指と李叶の指を絡ませて、

「指切りげんまん、嘘ついたら

針千本のーます。

指切った!!

約束破ったら針千本のますからね。」

「まじかよ・・・。

破らねーよ、大丈夫。」

針千本のますという言葉を本気にして、

顔を強ばらせる李叶を見て、

笑う音春。

「約束ね。」

2人だけの秘密ができた朝7時・・・。