「あっち~。もうやってらんないよ。」

7月、教室。昼やすみ。

暑さに耐えられず、
脚がばっとひらいてうちわであおぐ。

うーん、微風。まじクーラー欲しい。

「おい柊、見苦しいぞ。」


「なによ昴、暑いからしょうがないじゃん。」

「言い訳になってねー。
ったく、それJKのすることかよ。
そんなんだから“残念系女子”っていわれるんだぞ。」

こいつは師子王昴(すばる)。

うちのいつメンの一人。

ししおうって、名字は無駄にかっこいい感じだけど、完璧に名字負け。

顔も頭も性格も平々凡々なやつ。

あ、名字だけは平凡じゃないか。